高い利回りをうたって若者たちから約200億円を集めた投資会社が、警視庁に摘発された。投資先としていた海外の投資会社は実体がなく、集めた金は代表らの遊興費などに充てられていたという。顧客の若者たちの多くは、消費者金融から借りて集めた投資資金を回収できないままになっている。
「お一人ですか?」。愛知県の会社員女性(26)は2020年3月、名古屋駅前の立ち飲み屋で30代くらいの男性に声をかけられた。お酒や趣味の話で意気投合し、男性の同級生も来るというので2軒目にはしごした。スーツ姿の男性2人が合流した。
ともに高そうな腕時計をしていた2人は、投資に成功し、豪華な暮らしをしているのだという。知らない女性の写真を見せられ、こう言われた。「彼女も愛知出身で、あなたと同じ仕事。投資に成功していい生活をしている」
心の中に憧れが芽生えてきた。「投資の経験はないんですけど…」
勧められたのは「フリッチクエスト」(FQ)という会社だった。「海外在住の敏腕投資家が代わりに投資してくれる」。月利4%(年利48%)という高い利回りが期待できるという。
「自分で勉強するのは時間がかかる。やり手の人にお金を運用してもらえるなら」と、翌月契約した。
消費者金融7社で610万円借り入れ
投資の資金は、消費者金融を…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル